法話
Shorinji Kempo

2024-2-8 2024年新春法会

2024-2-8(木)1ヶ月遅れで、
能登七尾道院 2024年新春法会を執り行いました。
震災後、元気な顔が見られて、ホッとしたのと同時に元気をもらうことができました。
一歩一歩ではありますが、出来る事から初めて行きたいと思います。
 
年頭挨拶
今年は、元旦早々から震災で大変なスタートとなってしまいました。
新春法会も1ヶ月遅れとなってしまいました。
でも、こうやって皆さんの元気な笑顔を見ることができて、ホッとすると同時に大変元気をもらうことができました。
まだまだ、大変な状況が続いているのに変わりは有りませんが、当たり前の日常を取り戻すために、もう少し皆で踏ん張っていきたいと思います。
前に高段者の先生がおっしゃっていたお話を思い出しました。「脚下照顧」の意味は知っていますね?
そう、「靴を揃える」と習っていますよね。一般の方は「足下を照らす」「足下を見つめ直して反省を忘れずに」と言う意味ですよね。
その先生は、もう一段、深い意味が有るよと教えてくださいました。
”自分の足下、即ち、「日常」「常識」「当たり前」だと思っていることが、「本当に不変で当たり前か?」という問いかけである”と
「当たり前」だと思い込んでいる常識が根底から覆った時、どの様に行動出来るか?どの様に対処できるか?
難しいかもしれないが、心構えが必要である。と
今回の震災は、これが現実となり、突きつけられました。どの様に行動するか?今までの修行が試されているのだと思います。
本来であれば、年頭のあいさつとして、今年の抱負や方針などを話すべきなのでしょうが、震災を体験して考えた事を話してみました。
少しづつ日常を取り戻していくように皆で頑張って行きましょう。

2023-10-26 法話 まだまだ復興途中

2023-10-26 法話 まだまだ復興途中

この前、珠洲市に行ってきました。今、奥能登国際芸術祭が開催されています。

現代美術を旧小学校とか旧家など町中や畑の中など珠洲市全域に展示されています。

町中を回りながら気が付いたのですが、時々玄関先に「倒壊注意」の張り紙がありました。

奥能登地震から半年以上経ちましたが、まだ、改修工事などが追いついていないようです。

まだまだ復興途中なのだと実感しました。

2023-10-14 法話「何で突きと蹴りの練習をするの?」

2023-10-14 法話「何で突きと蹴りの練習をするの?」

この前、鋭い質問がありました。(少年拳士Aから)

「何で突きと蹴りの練習をするの?」

「暴力は駄目と言いながら、何で?」

さて、皆さんは何でだと思いますか?

「自分の身を護るため!」(少年拳士B)

正解! これも鋭い答えですね

少林寺拳法は護身術でもあります。自分の身を護るために使うのですよね!

ただ、護身術を身に付けるためには、実際に突いてもらったり、蹴ってもらったりしないと、いざという時に使えないかも知れませんよね。

なので、突いたり蹴ったりの練習も必要なのです。

自分が上手くなるためには、相手が正確な攻撃をしてくれないと困るのです。練習になりません。

また、初めから早くて強く鋭い突きや蹴りでは、受けきれないかもしれません。相手の能力に合わせて調整する必要もあります。

つまり、攻撃してくる相手は自分を上手にしてくれるパートナーです。自分が上手になるためには相手にも上手になってもらわなければなりません。

少林寺拳法で突きや蹴りの練習をするのは、相手を倒して、自分が一番になるためではありません。相手にも上手くなってもらう為に突き蹴りの練習をしていると言っても良いかもしれません。

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これは少林寺拳法の6つの特徴の中の「組手主体」に当たります。

空手でいう組手(乱取り、運用法)とは違います。

相手と相互に協力し合って修練する少林寺拳法の技法修練の特徴を表した言葉です。

2023-10-12 法話「2023年少林寺拳法世界大会に参加して」

2023-10-12 法話「2023年少林寺拳法世界大会に参加して」

2023年10月7日、8日と2023年少林寺拳法世界大会に審判員として参加してきました。

世界大会ですから海外からの拳士も沢山参加していました。

そんな中、自分が参加して一番感動したのが、例えば天地拳第一系なら、どの国の方も我々と同じ動きをしているということです。合掌礼をすると合掌礼を返してくれます。言葉が通じなくても、これだけで同じ思いを共有することが出来ます。

同じ基準で、あの演武はすごいぞ!と言い合えます。

これは素晴らしいことだと思いませんか?
これが、私の一番の発見であり、収穫だったように思います。

法話 「信じています」なかなかやる気がでない子に向けて

法話 「信じています」なかなかやる気がでない子に向けて

先生は、技が出来ないからと言って怒ったことはありませんよね

やらなければならないときに、サボっているときは、やりなさい!と叱ることはあります。

でも、出来ないからと怒ったことは一度も無いはずです。

何故かと言うと、皆さんが必ず出来るようになると信じているからです。

信じているから教えているのです。

皆さんは、良い方に変化する力を持っています。この変化する力が発揮できるように少林寺拳法で体と心を修行しているのです。

何もオリンピックの選手になれ、ノーベル賞をとるような学者になれ、等と言っているわけではありません。

少林寺拳法を通して、皆さんが人の役に立つような人間になるだろうと信じています。

皆さん、一人一人が良い方に変化する力、成長する力を金剛禅では「ダーマ」と言っていますね。

法話「自己中ってしっている?」

法話「自己中ってしっている?」

「自己中」って言葉をしっていいますか?自己中心的な考えをする人のことですね。略して「自己中」。他人の事はおかまいなしで、自分の事しか考えない人。自分さえ良ければ他人はどうなっても自分には関係ないと思っている人。

 自分を大切にすることは良いことですが、それだけでは、少林寺拳法の拳士としては半分ですね。「半ば自己の幸せを 半ば他人(ひと)の幸せを」です。「自己中」ではいけないのです。他人(ひと)の事も考えて行動出来る人が少林寺拳法の拳士なのです。

 実は「自己中」の反対もダメですね。「自己が無い人」です。他人が良いと言ったら、自分で善し悪しを考えもしないで他人の言うままに行動してしまう人。「自己無し」もダメなのです。自分の考えを持たない人も少林寺拳法の拳士としては半分です。

 

ここまでは、法話で話をしました。

この続きもあるのですが、少し触れたいと思います。

 他人(ひと)の事を考えて行動するのは良いことなのですが、自分の事を全部犠牲にしてまで行動するのも極端な気がします。自分の及ぶ範囲、コントロール出来る範囲で他人(ひと)の事を考えて行動することが大切な気がします。

 また、自分の考えに囚われすぎて、自分の考えを改められないのも困ったものです。

 どちらもバランス感覚なのでしょうか?「自己確立」「自他共楽」の修行を行っていく意義がここにあるのかもしれません。

第1回 2023年UNTYオンライン武専 講義1 全体講義「自己確立できて初めて自他共楽に至る」感想

第1回 2023年UNTYオンライン武専 講義1 全体講義

「自己確立できて初めて自他共楽に至る」岐阜高富道院 松久典弘 先生

講義を視聴しての感想です

自己に向かって掘り下げるのが自己確立

外に向かって広がっていくのが、自他共楽

自己確立で根を広げ、自他共楽で葉を付け、花を咲かせ、実を付けて周りの役に立つ

小さい時は、小さいなりに、大きく枝を伸ばした時は、より大きく良い影響を与えられるように育っていければ良い

樹木の例えが理解しやすかったです。自分が話す時も使ってみようと思います。

「自己確立できて初めて自他共楽に至る」と言葉だけ聞くと、「自己確立ができないと自他共楽はできないのだ」と考えてしまう方がいるかもしれません。自己確立は生涯の目標となるので、どこまでいってもゴールとならないかもしれない。ゴールできなければ、自他共楽に進めないと考えて行動に移せない人もいるかもしれません。

自己確立は自分を見つめ直して、様々な事に気付く作業であると考えます。その時々で自分の出来る範囲を見極めて、行動していく事が自他共楽の始まりであると考えます。

自己確立ができないと自他共楽が出来ないわけでは無く、一つの樹木として根と枝葉の様にお互いが影響し合って大きくなっていくものなのではないでしょうか?

2023-6-15 法話 「短絡的な行動が気になる」

 自衛隊の発砲による死傷事件や闇バイトによる強盗事件など20才前後の若者のニュースを聴きます。「嫌いだから撃った」「金が欲しくてやった」など考えが無く、短絡的な行動が気になります。深く考えないで実行して、一生を棒に振ってしまっています。

 とても自分を大切にしていると思えません。自分を大切に出来ない人は、他人を大切にすることは出来ません。だから簡単に他人を傷つけたり、物を盗んだりするのでしょう。

 また、世の中は、そうそう自分の思い通りにはいきません。ゲームやアニメ、ラノベ小説の様に、何かアイテムを手に入れたら能力がアップすると言う事もありません。

 少林寺拳法を修練している人は、自分の可能性を信じている人だと思います。自分の可能性を信じている人は、自分を大切にしている人です。何故かと言うと、少林寺拳法の様な修得できるかどうか分からない技術を何年もコツコツと修練しています。自分は上手くなれるのだと自分の可能性を信じていなければ継続することは出来ないように思います。少林寺拳法の技は、昇級したからと言って直ぐに出来るようになるわけではないですよね。何回も何回も修練しないと身につきませんよね。

就職面接試験と拳士としての心得

本日の午前中に職場の就職試験の面接官をしてきました。

面接官が何を基準に見ているかと言うと、他者とのコミュニケーション能力や仕事を責任持って遂行できるか?自分から課題を見つけ努力していけるか?などです。

でも一番重要視しているのが、社会人として基本的な態度が出来ているかです。

で、本日の学科学習の範囲が、「拳士としての心得」でした。

「拳士としての心得」として

脚下照顧
作務
合掌礼
服装、態度、言葉遣いの6つを道院では、最初に習います。
これらが、出来ていれば、就職試験はOKかもしれません。学校の成績は良い方が良いでしょうが、学校の勉強が出来たかどうかは、採用の一番の基準にはなりません。
これらの心得は、道院での修行を通して少しずつでも身につけていって欲しいと思います。

2023-5-20 法話 「蜂の巣駆除」

道院の換気扇フードの中に 今年も蜂の巣がありました。 大きくなる前に駆除することができました。 ただ、蜂は生きる為に頑張っているだけですが、人間の都合で害虫だと駆除するのは人間の身勝手なのだろうなと考えてしまいました。