鎮魂行について(後編)

 

鎮魂行について後編です。

*「経典」と「教典」の違い

 金剛禅では、「経典」と書かずに「教典」と書きます。

 一般の仏教のように「経典」としないのは、釈尊の教説(経)をまとめたものばかりでは無いからです。金剛禅の「教典」は、「拳禅一如」の修行を通して「金剛禅」の目的である「自己確立」と「自他共楽」の「理想境」実現に向かうために開祖が定めた規範、教えです。だから、教えが書かれた物として「教典」なのです。

*「教典」の成り立ち
 金剛禅の「教典」は、「聖句」「誓願」「礼拝詞」「道訓」「信条」から成っています。
「礼拝詞」は、“金剛禅を信じ行っていきます”という宣言となっています。
「誓願」は、修行を行っていく上での信念、誓いの言葉となっています。
「聖句」は、修行実践の原則となり、開祖が仏教経典の「法句経」から金剛禅の修行に相応しいものを選んだものです。
「信条」は、日々の生活の中での実践の大要を示し、「道訓」は、その具体的な内容を指示したものです。
 
*鎮魂行を行う意味合い
 金剛禅の教えは、道院の中だけでは無く、日常生活の中に活かしてこそ、実践していると言えると思います。毎回の修練の際に「鎮魂行」で「教典」を皆で唱和し、挫けそうになる自分を奮い立たせ、「自己確立」と「自他共楽」の平和で豊かな「理想境」実現に向けて自己を修め、皆で実践していく誓いを立てています。
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