2021-8-26 法話「パラリンピックのパラの意味は?」

 2021-8-26 法話「パラリンピックのパラの意味は?」

対象:小学生、中学生

 東京パラリンピックが始まりました。

 ここで質問です。パラリンピックのパラってどんな意味なのでしょうか?知っていますか?

パラリンピックは前回の東京オリンピックが開催された57年前にも開催されています。

その時の”パラ”は、パラプレジア(Paraplegia、対麻痺(脊髄損傷等による下半身麻痺))からきているそうです。これにオリンピック(Olympic)を合わせてパラリンピック(Paralympic)となったそうです。

現在は、パラレル (parallel) に意味が変わってきたようです。「パラレルワールド」って聞いたことあるでしょ?「平行、並行、並列」という意味ですね。”もう一つのオリンピック”という事でしょうか?

 オリンピックの選手はスーパーマンみたいだなと思うのですが、パラリンピックの選手も同じく、すごい能力を持っていると思います。お昼に車椅子バスケの試合をテレビで視ましたが、あんなマネはとてもできません。普通は、座った位置からシュートしても届かないと思います。それを軽々と行っていました。

 自分の脚で歩るいたり、走ったり出来ないというマイナスが有りますが、それを上回るプラスの能力を持っているのですね。

 我々も、何か出来なかったとしても、諦めてはいけないのかもしれませんね。チャレンジしてもどうしても出来ない事は有ると思います。しかし、違うアプローチでチャレンジしてみる価値があるかもしれません。「並列」ですから自分には他の能力があるかもしれません。それを教えてくれるのがパラリンピックの意味なのかもしれませんね。

*実際に話したことを要約し、少し修正・加筆してあります。

<追加1>

「障害者」と言う言葉がありますが、「障害」と言うと何も出来ない、能力が無いというマイナスのイメージがあります。しかし、「障害者」は、「障害」も持っているかもしれませんが、他の「能力」も持っています。

「健常者」といわれる者でも、劣る能力と優れている能力を持っていると思います。マイナスの能力ばかりに目がいってしまうと、せっかくの優れた能力も十分に発揮できなくなってしまうように思います。

<追加2>

 57年前の”パラ”の意味は、”対麻痺(下半身麻痺)”から来ているそうですが、57年前は”頸髄損傷の四肢麻痺”や”脳卒中などの片麻痺”の方は、死亡してしまうケースが多かったので、車椅子で社会生活を送っていた方は、対麻痺の方が多かったのだと思います。

 また、第二次世界大戦後20年ほどですし、朝鮮戦争、ベトナム戦争などの負傷兵士の多くも対麻痺だったり、地雷で片足を失った義足の方が多かったのだと思います。

 戦後、負傷兵の社会復帰を目指して、リハビリテーションが発展してきました。そこに、医学の進歩で救命率が上がり、重度の障害を持つ人も多くなってきました。そんな人々の社会復帰や社会参加を目指してパラリンピックが始まりました。

いいね!>> いいね! 0人