NHK総合 水曜日午後11時から放送されている「明鏡止水 武のKAMIWAZA」という番組があります。興味深く、面白く、毎週、楽しみに視聴しています。
俳優の岡田准一さんと芸人のケンドーコバヤシさんがキャスターとなって、一流の武術家たちが集結し、熱いトークと秘伝の技を披露する、かなりマニアックな番組です。
以前から非定期にBSで放送されていた番組がNHK総合で再編成されて放送中です。
「明鏡止水(めいきょうしすい」とは、邪念がなく、澄み切って落ち着いた心の形容。「明鏡」は一点の曇りもない鏡のこと。「止水」は止まって、静かにたたえている水のこと。
平常心で清々しい心持ちと言う意味になるでしょうか?
さて、この番組で紹介される古武術、武道、出演する武術家、武道家の方々は、素晴らしい技術や考え方を持っています。殺傷術から始まった武術を洗練させ、精神修養の域まで高めて修行を行っています。まさに「明鏡止水の心持ち」なのだと思います。
ここで少し立ち止まって考察です。
”これら武術、武道と少林寺拳法の違いは何処にあるのでしょうか?”
違いは、”少林寺拳法は「宗門の行」である。”と説明されています。
武術、武道は、「武術、武道」を学ぶことによって、精神修養になります。としています。しかし、精神修養に繋がるかどうかは、個人の取り組み方によって違う方向にすすむかもしれません。
少林寺拳法は、「少林寺拳法」で学んでいきます。「少林寺拳法」はあくまで手段です。目的は「少林寺拳法の技術」を学ぶことではありません。少林寺拳法の目的は「人づくり」です。「自己確立」「自他共楽」を目指し「少林寺拳法」を使って修行していきます。この点を説明できない限り違いを説明できたことにならないと思います。
いずれにしても、指導者がこの点を抑えて指導しないと、少林寺拳法の独自性、ユニークな点が失われしまうのではないかと思います。